遺産分割協議について

相続人になったら他の相続人と「遺産分割協議」を行って分け合う必要があります。

今回は、遺産分割協議とはどのようなものか、進め方や注意点も含めて解説します。

目次

1.遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、法定相続人が全員参加して相続財産の分け方を話し合いで決める手続きです。

相続が発生したら民法の定める「法定相続人」が遺産を相続しますが、法律では「相続割合」しか決められていません。具体的に誰がどの遺産を取得するか、については自分達で話し合って決めなければならないのです。そのための協議が「遺産分割協議」です。

遺産分割協議をしないと、いつまでも遺産相続の手続きを進められません。たとえば不動産や預貯金などもすべて被相続人名義のままで放置され、財産が宙に浮いた状態になってしまいます。

2.遺産分割協議の進め方

遺産分割協議をするときには「相続人が全員参加」する必要があります。1人でも欠けていたら無効になりますし、相続権のない人が参加することもできません。

協議の進め方自体には、決まりはありません。対面や電話、書面のやり取り、メール、オンライン会議など、都合の良い方法で進めることができます。

3.遺産分割協議書を作成する

遺産分割協議によって相続人全員が遺産分割の方法に合意したら、合意内容を「遺産分割協議書」にまとめる必要があります。遺産分割協議書がないと、不動産の名義変更などの相続手続きができません。

遺産分割協議書には、誰がどの遺産を取得するのかはっきりわかるように、相続人と相続財産を明確に特定する必要があります。

また相続人が全員署名押印しなければなりません。押印には「実印」を利用しましょう。

4.遺産分割協議を行う際の注意点

4-1.時効について

遺産分割協議には、時効などの期間制限がありません。相続開始後10年後、20年後に行うことも可能です。

しかし時間が経つと相続財産が散逸して明細がわからなくなりがちですし、相続人が死亡して再度の相続が発生し複雑化するおそれも高まるので、早期に遺産分割協議を終わらせるべきです。

4-2.相続税申告納税との関係

遺産分割協議でもめごとが発生すると、2年も3年もかかるケースがあります。一方相続税の申告納税期限は「相続開始を知ってから10か月以内」です。遺産分割協議が成立していなくても、10か月以内には相続税を申告納税しなければなりません。

協議が間に合わない場合には、とりあえず法定相続割合に従って申告と納税を行い、後ほど更正請求を行って払いすぎた分を取り戻すなどの対応をしましょう。

4-3.遺産分割協議が決裂した場合

遺産分割協議でどうしても合意できない場合には、家庭裁判所で遺産分割調停を行い、解決を目指します。それでも合意できなければ、裁判所が「審判」によって遺産分割の方法を決定します。

遺産分割協議についてご不明な点があれば、お気軽に弁護士までご相談下さい。

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